にぎやかさと静けさ、どちらを好む向きにも過ごしやすい土地

駅は職員の無人化が行われているとはいえ、駅の周辺は閑散とした土地ばかりではありません。工場や住宅地が続く光景があたり一帯を支配しており、人口密度が低いエリアだとは言い切れません。そのかたわら、美しい街並みや散歩に適した場所などがじゅうぶんに残されている点は、都市計画の見地からも評価されています。
工場地帯には「交通インフラが発達している」という共通項がありますが、富士根駅の近くにおいても、幹線道路が数本敷かれています。国道139号線や県道176号線・397号線などがよい例でしょう。タクシーや自家用車で長距離を移動することは難しくないはずです。
富士根駅は、JRの身延線に属する駅です。普段は富士宮駅の管理下にあります。富士宮駅は、特急「ふじかわ」が停車する駅のため、一時下車して乗り換えの機会を待つ旅客の姿がよく目撃されます。
よその路線との接続状況に関しては、発着駅である富士駅と終着駅である甲府駅の2ヶ所に限定されます。前者とは4区間しか離れていないためよく利用されています(東海道本線への乗り換えが可能です)。後者とは約80キロ距離があるため時間はかかりますが、中央本線を使う用件がある場合なら目指す価値があります。
富士根駅の利用率は、20世紀の末期にはどんどん低下していました。ただし今世紀に入ってからはだいぶ安定しています。1日あたりの乗客数を確認すると、400人台を記録する年が目立ちます。2011~2012年は連続して400人未満に落ちましたが、2013年はまた400人以上に回復しています。
富士根駅の界隈は、少子高齢化の波が及んでいない一帯ではありません。しかし施設の増加についてはいろいろな制約が付きまとうため、多少難航していました。近年は住宅型有料老人ホーム・介護付き有料老人ホームを中心に増設されており、介護事業界の苦心の跡がしのばれます。
グループホームはまだ少ないものの、認知症の高齢者からの需要が高いため、オープンするとたちどころに評判になっています。駅から1キロくらいの通いやすい範囲で見つけることも可能ですが、状況が許すようであれば4~5キロ圏内で探したほうが得策でしょう。