春日部市の有料老人ホームは春日部駅周辺を中心に多数

埼玉県春日部市は国道4号・新4号国道と国道16号が交差する利便性の高い地域?。中心市街地には、まとまった公共施設や商業施設があり、春日部市は埼玉県の中核都市に当たります。
埼玉県の中心地・さいたま市へのアクセスも悪くはありませんが、都内へ通勤通学している人の方が多い傾向があり、都内だけでなく千葉方面にも乗り換えなしでアクセスが可能です。
電車よりも車で移動する層が多く、車社会ですが、駅前でも充分に買い物ができるので高齢者にも優しい街になっています。
本格的な高齢化社会に向けて、春日部市ではさまざまな試みが行われていますが、その一つが生きがいづくりの一環としての「元気アップ教室」。これは正しいウォーキング姿勢や歌、栄養学などをプロから学べる楽しい教室です。
また、「円満な相続と資産管理」など、高齢者ならば気になる講座もあり、高齢者に対する福祉はもちろん、介護する家族への支援も積極的に行っています。
おむつなど介護用品の支給や寝具をクリーニングしてくれるサービスなども実施。地域ぐるみで高齢者とその家族を応援しています。
春日部市の有料老人ホームは駅周辺を中心に多数あり、中規模な施設が多く、手厚い看護ケアと充実の施設設備を誇る非常にバランスがとれていると言えるでしょう。
駅から徒歩10分以内のホームもあるので、ご家族が休日はもちろんのこと会社帰りに訪問しやすい環境。大手の会社も次々と参入してきている地域であるため、今後も施設は増えていくと予想されます。
2040年までには高齢化率は40%を超える見込み
春日部市は、東京都の北方、埼玉県東部の街で、東京都心から35km圏にあります。
東武アーバンパークラインと国道16号が東西に走り、南北方向には東京メトロ半蔵門線・日比谷線・東急田園都市線が乗り入れる東武スカイツリーラインと、国道4号・4号バイパスが南北に渡って伸びています。

国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」
交通アクセスの良好な街ですが、春日部市は人口が微減傾向に。年齢階層別にみると、0~14歳の年少人口、15~64歳の生産年齢人口は減少しており、65歳以上の高齢者人口は増加中です。
2023年の年少人口は2万3,861人、生産年齢人口は13万5,365人、高齢者人口は7万2,500人となりました。
2023年の高齢化率は31.3%。同年の全国平均は29%台なので春日部市は平均を上回っており、高齢者が増えているのがわかります。
特に75歳以上の後期高齢者の増加が著しく、介護保険の要支援・要介護認定者も増えているのが現状です。
今後も年少人口や生産年齢人口は減少し続けますが、高齢者人口は増加の一途を辿ると予想されます。
総世帯は増え続けており、2013年には、総世帯数は10万552世帯でしたが、2024年には総世帯数は11万2,499世帯と年々増加しています。
高齢者のみの世帯も増加、特に一人暮らしの高齢者が増えており生活支援などの需要が高まっています。
介護保険の被保険者は今後も増加
春日部市では高齢者の増加とともに、介護保険の被保険者が増えており、要支援・要介護認定者も増加。将来推計によると、介護保険の被保険者は今後さらに増加していく見込みです。

要支援・要介護の認定者は2018年度には1万32人ですが、2024年には1万2,974人まで増加しています。
2024年の認定者数の内訳は、要支援2,730人、要介護1万244人、中でも要介護1の認定者が多く2,997人でした。
介護保険サービスの利用者も増加傾向にあり、2010年には5,347人だった利用者数は2024年には1万641人と1万人を上回りました。
2024年には居宅介護サービス利用者数7,808人、施設介護サービス利用者数1,921人、地域密着型サービス利用者数912人となっており、居宅介護サービス利用者が最も多いという調査結果でした。
春日部市では自宅で生活している高齢者が多いため、訪問介護や訪問看護、デイサービスなどの需要があります。
また、介護ベッドや車イスの借りられる福祉用具貸与や、手すりの取り付け段差解消、トイレを和式から洋式に換えるなどの、バリアフリー工事の費用を助成する住宅改修も利用者が多いです。
2006年から始まった「地域密着型サービス」は地域の状況に合わせた対応ができる小規模事業所サービスで、認知症対応デイサービスなどの利用が可能、春日部市でも利用者は年々増えています。
また、特別養護老人ホームなどの介護施設への入居者も増えており、春日部市は介護施設の増設にも急いでいます。
高齢者の孤立防止対策も充実
春日部市では、年を重ねても住み慣れた場所で暮らしていけるよう、高齢者の暮らしを多角的にサポートする地域包括ケアシステムを構築中です。

「医療」「介護」「予防」「住まい」「生活支援」を柱として『高齢者が安心していきいきと暮らせるまち』を目指しています。
高齢者サポートの内容は実に多彩で、訪問介護とともに、訪問看護や訪問診療を必要としている高齢者も多いため、医師会などと連携し、訪問診療などを気軽に頼める体制を整えています。
また、高齢者の外出や生きがいづくりを支援したり、生活支援や介護を受けず、自立した生活を送るための介護予防活動を推進したりしています。
歳をとっても末永く健康で暮らせるよう、心身の健康を維持する介護予防活動を行っていますし、介護保険サービスも含めた高齢者福祉の充実などを推進中です。
住宅のバリアフリー化やサービス付き高齢者向け住宅などのシニア向けの住宅の確保や改修などを行い、高齢者の住まいを確保。高齢化にともなう持ち家の老朽化などにも対応しています。
さらに、高齢者だけの世帯が増えており、孤独死などが問題となっている昨今、これを防ぐべく、NPOやボランティアなどの協力も仰ぎ、地域主体の見守り体制を構築中です。
春日部市では認知症高齢者も増えているため、認知症地域支援推進員の増員や認知症ケアパスの配布など、認知症施策を推進。認知症家族の会なども定期的に開催し、認知症高齢者とその家族が孤立しないよう、配慮しています。
生活習慣病の予防運動ができる「元気アップ教室」を開催
春日部市ではできる限り、介護が必要な状態にならず、元気に楽しく過ごせるように介護予防活動を推進中です。
支援や介護が必要になった原因は、「高齢による衰弱」とともに「骨折・転倒」が多く、介護予防のための健康体操の普及や高齢者の積極的な活動の支援なども春日部市の課題となっています。

現在、健康づくり活動としては、公民館などの身近な施設での体力測定会や健康づくり研修会、指導員による筋力トレーニングなど体操指導などを実施中です。
地域の住民が主体となって介護予防活動が行えるように、リーダー養成研修会なども行っています。
社会参加をしている人の方が認知症になりにくいことが調査でわかってきたため、高齢者の生きがいづくりや居場所・通い場づくりも春日部市の課題。
そのため、高齢者のレクリエーション会や交流会、ボランティア活動なども支援し、高齢者の外出を促しています。
また、『現在治療中や後遺症のある病気について』のアンケート調査によると、「高血圧」と答えた人が一番多いことがわかりました。
高血圧は重度化すると脳卒中などの脳疾患になる可能性が高いため、春日部市は生活習慣病の予防運動ができる「元気アップ教室」を開催し、生活習慣病予防を推進中です。
生活習慣病以外にも、病気が要介護状態の引き金になる人が多いのも現状。それを鑑み、春日部市は健康相談や健康教室の開催、がん検診などを行い、疾病の早期発見・早期治療を目指しています。
春日部市の高齢者相談
春日部市は高齢者の幸せを守るため、いろいろな相談に対応しています。全国的に在宅介護が増えるなか、高齢者の虐待も問題となっており、春日部市でも高齢者虐待に関する相談などを行い、防止に努めています。

各地に配置された地域包括支援センターでは、電話相談や匿名通報も可能。ここでは「隣の奥さんが頻繁におばあちゃんを怒鳴っている」とった報告ができます。
もちろん本人からの相談も受け付けていますので、「ご飯を食べさせてもらえない」というような困った状況に陥った際は、相談すればすぐに対応してもらえるでしょう。
また、春日部市は65歳以上の高齢者だけの世帯や、虚弱高齢者などを対象に『緊急通報システム』を整備しています。これは急病や災害の緊急事態の際、ボタンを押すだけで市の受信センターにつながる装置で、状況に応じて救急班が緊急車両を手配してもらえます。
また、高齢者の火災事件も増えているため、心身機能が低下していると判断された高齢者には、火災警報器や電磁調理器などの「日常生活用具」を無料で給付しています。
給付対象者は限られていますが、「経済的にも厳しい」といった悩みを抱えている人は、地域包括支援センターに相談すると良いでしょう。
さらに、高齢者の持ち家の老朽化や、自宅での段差による転倒なども問題となっており、春日部市は「居宅改善整備費補助」を通じて、居宅を使いやすく改修する工事の費用の一部を補助しています。
高齢者支援課の高齢者支援担当が窓口となっており、「階段に手すりがないので怖い」といった相談にも対応してくれます。