付近の散策や運動など、高齢者の楽しみに事欠かない楽しいエリア

大阪市の南東に位置し、大和川を挟んで松原市と隣接する東住吉区は、大阪市の中では面積が広い区域です。
区域の大部分は住宅地で、駅前を中心に商業地区が集中しています。
駒川商店街のにぎわいは、大阪市全体から見てもかなりのスケールを誇ります。
ほかにも、長居公園のような運動をしたり散策をしたりできる、市民の憩いの場となっているスペースも存在します。
何歳になっても活動的に過ごしたいという高齢者には、東住吉区はもってこいの場所といえそうです。
交通の便もよく、JRの関西本線や阪和線、近鉄南大阪線や地下鉄の御堂筋線など、いろいろな路線を使うことができます。
東住吉区は、高齢化率が顕著なエリアでもあります。
2011年の調査では25.8%となり、市内では4番目の高さでした。
2023年には27.9%と、他の区よりも高齢化の進行は抑えられています。
少子化率の進行も問題となっており、2010年の報告では12.2%とされています。
2023年には11.1%となりました。
こうした現状を踏まえて東大阪市では、数々の高齢者福祉を試みています。
「すこやか元気アップ事業」という、健康を増進するための事業を展開しています。
現在は、認知症対策が特に有名です。
「はつらつ脳活性化元気アップ事業」と題して、認知症を防止する運動への参加を呼び掛けており、区民は原則無料で参加が可能です。
東住吉区では、入居一時金がかからない施設や、60万円前後の施設も何軒もあります。
毎月の支払いに関しても、十数万円で良いケースもあって、高額所得者でなくても入居先を見つけやすいエリアだといえます。
なお、高額な施設に入りたい場合でも、困ることはありません。
入居一時金が1,000万円を超える施設もこの土地で運営されています。
グループホームや特別養護老人ホームも、数はそろっており、よその地域と比べても不利な状況ではありません。
選択肢が多いため、焦らずに施設を探す方が賢明でしょう。
高齢者数は3万人を超えた
東住吉区は、大阪市の24区の1つで、天王寺駅エリアにも近いです。
交通アクセスとしてはJRの関西本線(大和路線)と阪和線、近鉄の南大阪線と大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)の御堂筋線と谷町線が運行しています。
中心駅は近鉄・針中野駅と、大阪メトロ・駒川中野駅です。
阪神高速道路の14号松原線が駒川出入口から利用できますし、大阪シティバスや北港観光バスが区の内外を結んでおりアクセスも良好です。

国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」
しかし、東住吉区の総人口は徐々に減っています。
2000年には13万9,593人でしたが、2015年には13万人を割り込み、12万6,299人になりました。
2023年には13万1,440人とやや増加しました。
年齢別にみると、0歳から14歳までの年少人口が減っており、2000年には15歳未満の割合は12.9%でしたが、2016年には11.3%、2023年には11.1%になりました。
15歳から64歳までの生産年齢人口も2000年には67.6%だった割合が、2015年には60%を切り、59.0%まで減少していました。
2023年には61.0%とやや増加しており、60%代を維持しています。
一方、65歳以上の高齢者は急増中で、2000年には19.3%でしたが、2016年には29.4%まで上昇2023年には27.9%とやや減少しました。
高齢者数は2023年には3万6,628人となっています。
東住吉区は押し寄せる少子高齢化の波を受け止め、高齢者の為の施策や福祉サービスを推進中です。
「東住吉区オレンジキッズ」を育成して認知症の方の支援を進める地域包括ケアシステム
東住吉区では高齢者から子ども世代まで、世代を超えて助け合える環境を構築するため、地域包括ケアシステムを推進しています。
車イス体験などの高齢者の疑似体験の場を設け、30代から40代を中心に、次世代のリーダーの育成にも力を入れています。
東住吉区社会福祉協議会や地域包括支援センター、学校、学校医、キャラバンメイト(認知症サポーター)、行政、地域のリーダーが連携し、他世代との交流を行っています。

東住吉区は、地域住民が職種や地域にとらわれず交流できる機会を積極的に設けていますし、地域ケア会議を通じて地域の問題がダイレクトに区へ届くようにもしています。
また、認知症高齢者が増える中、認知症も含めた高齢者への理解を深めるため、子どもから大人まで、高齢者のサポーターを育成中です。
区内の小学校では認知症サポーター養成講座を行い、東住吉区オレンジキッズ(キッズサポーター)を育てています。
さらに、地域の公共施設では認知症について学ぶ教室を開催し、市民のキャラバンメイトを育成しています。
認知症高齢者とその家族の理解者を増やすよう努めています。
東住吉区では、地域社会全体での高齢者の見守りを実現するべく、社会福祉協議会や地域包括支援センターを中心に、見守り相談室(見守りネットワーカー)や東住吉区地域福祉サポートセンターの地域支援機関、ボランティア団体が協力する連携体制を強化中です。
「はつらつ脳活性化元気アップ事業」で介護予防を推進
東住吉区は、大阪市24区の中でも高齢化率の高い区域です。
高齢者が増加の一途を辿る中、年を重ねても健康に暮らしていけるよう、生活習慣病予防や認知症予防対策を推進しており、病気や介護の予防に繋がる「はつらつ脳活性化元気アップ事業」を実施しています。

はつらつ脳活性化元気アップ事業では、いろいろな体操教室や健康講座を通じて、認知症の原因疾患とされる脳血栓疾患や糖尿病といった生活習慣病を予防しています。
また、がん検診や健康診査、インフルエンザなどの予防接種も推進し、病気の早期発見・早期治療を目指しています。
東住吉区では、各地で元気アップ事業の一環として「はつらつ脳活性化元気アップ講座」を開催しています。
生活圏域ごとに、「くわぁ’s元気アップ教室」や「すこやか健康セミナー」「健康づくり教室」「リフレッシュのつどい」「元気クラブ」などを行っており、高齢者が気軽に参加出来るようにしています。
また、東住吉区民ホールでは「はつらつ脳活性化元気アップリーダー養成講座」を実施しています。
口腔機能、嚥下機能をアップする体操や認知症予防の知識、ロコモ体操などを学びます。
高齢者向けのイベントや講座、運動器の機能向上に繋がる健康体操を実施することで、高齢者の通い場の確保にもなっているようです。
介護予防活動に参加したい場合は、区内約4ヵ所に設置された地域包括支援センターや、住吉区保健福祉センターに問い合わせると、実施されている介護予防講座の内容と参加方法を教えてもらえます。
地域包括支援センターでは介護予防ケアマネジメントも行っていますので、健康づくりや介護予防についての相談も可能です。
さわやかセンターの「見守り相談室」で高齢者相談が気軽にできる

全国的に高齢者の孤立化や孤独死が増えており、東住吉区でも高齢者が孤立しないよう、気軽に相談できる窓口を設けています。
福祉の複雑化により、高齢者の疑問や悩みが増えていることなどを背景に、地域包括支援センターでは介護保険サービスも含めた福祉サービスに関する相談を実施しています。
さらには、生活や金銭的な問題、人間関係など、あらゆる相談ができる窓口となっており、高齢者だけでなく家族や親族、地域住民も相談可能です。
東住吉区の社会福祉協議会の「さわやかセンター」に設置された「見守り相談室」には、福祉専門職のスタッフを配置しており、福祉サービスなどに関する具体的な相談ができるようになっています。
また、見守りのために孤立世帯を積極的に訪問も行っています。
状況把握や相談の受け付けも行っていますし、認知症高齢者の探索が必要な場合、情報を協力者に配信し、事故の発生や防止に繋げています。
さらに、東住吉区社会福祉協議会は、区内約14地域の小学校区に「地域福祉サポーター」を設置しています。
地域の身近な相談窓口として高齢者や障がい者、区民の相談に応じ、内容に合わせて公的な福祉サービスへ繋いだり、必要な情報を提供したりしています。
地域福祉サポーターの認知度も徐々に上がっており、相談件数も増加中です。