高級住宅街ならではの、高級な老人ホームが多数

大阪市の南部に位置し、天王寺区・住吉区・東住吉区などに囲まれた阿倍野区。
市の南部は独特の歴史と文化を持つ一帯ですが、阿倍野区にも阿倍野神社や正圓寺、阿部王子神社のような由緒正しい寺社仏閣や史跡がいくつも存在します。
文化に独自性があるだけではなく、経済・産業面でも独自性が強く、シャープや大杉製薬、近鉄百貨店といった各界の名だたる企業が区内に本拠地を置いています。
特に北部の天王寺区に近いあたりは、市内でも有数の繁華街が一面に広がっています。
区内で最大級の商業施設といえば「あべのハルカス」がその筆頭ですが、そのほかにもこの地で利用できる商業サービスはとにかく豊富です。
生活物資から娯楽まで、ほとんどすべてが間に合う便利さがあります。
これだけ華やかなエリアである以上、交通インフラは申し分なく行き届いています。
JRの阪和線・近畿日本鉄道の近鉄南大阪線・阪堺電気軌道の上町線などがその代表格でしょう。
もちろん市営地下鉄も(路線は御堂筋線と谷町線のみですが)もれなく開通しています。
バスに乗りたいときは、近鉄バスと市営バスの停留所が多いことがすぐにわかるはずです。
大阪市内には人口の減少がとまらない区域がいくつもありますが、阿倍野区もその例外ではありませんでした。1970年から1995年までの間に5万人以上減っていますが、20世紀末に近づくに連れて減少に歯止めがかかりました。
現在はやや増加しており、2023年には人口11万1,488人、高齢化率24.8%となっています。
人口の回復は長期的に、福祉に好影響をもたらすことが期待されます。
区の当局はこれらの現実を考慮して、公的な介護施設にウェイトを置いています(グループホームの増設は、阿倍野区内でもよく見かけるようになってきました)。
民間の介護事業者も黙ってはいません。
区内には高級住宅地が立ち並ぶ一角があることで有名ですが、その近隣の介護施設も同様に高級さが感じられます。
といっても費用が一様に割高なのではありません。
区内の介護施設には安めの施設から高めの施設までそろっており、わりと選べる環境ができつつあるからです。
「介護付き有料老人ホームなのに入居一時金がかからない」なんてユニークな例もあるほどです。
このエリアでは、個性的な施設が多数派を占めていると考えることも可能でしょう。