近鉄の路線が3本使えて、行動範囲が広くなる点が特徴

その点は駅構内だけではありません。狭いことで不満を感じる住民が多かった駅北口について、約10年前から整理事業が進められており、利便性が大いに向上する結果となりました。バスやタクシーが乗り入れやすくなったことは間違いありません。この1件で特に株を上げたのは奈良交通で、北口に数系統の路線のサービスを行っています。
駅舎の中に入り込んでいるショッピングモール「Time's Place Saidaiji」は、2009年の開業以来順調に乗客の利用頻度を高めています。もっともその点では駅の周囲の喧騒を抜きにしては語れません。複合型の商業店舗をはじめ、金融機関の支店や公営の施設などがたくさん進出しています。なお、都会的な施設ばかりが目立つわけではありません。駅名の由来となっている真言律宗総本山の西大寺は、依然として全国からおおぜいの訪問者を集めています。
大和西大寺駅は近鉄の路線が3本交差する貴重な駅。奈良線を使うときは、けいはんな線や生駒線などと接続する生駒駅が有用な乗り換え駅となります。京都線に関しては新祝園駅(JRの学研都市線と連結)、橿原線に関しては平端駅(JRの天理線と連結)あたりが、遠くない位置にあって乗り換えのチャンスをもてる駅となるでしょう。
3路線がぶつかるため大和西大寺駅の存在感は重いですが、利用率に関しては低下が続いています。1日ごとの乗客数は、2004年を過ぎると24000人を下回る年が相次ぐようになっています。
大和西大寺駅の周囲で介護施設を探すことは難しくありませんが、まばらに見つかるという特徴があるようです。つまり範囲は広めに設定したほうが好都合でしょう。だからといって駅のそばに施設が皆無だということではありません。数百メートルの場所で格安のグループホームやサービス付き高齢者向け住宅などを見つけることは難しくないでしょう。
また、施設の分化がいい按配で進んでいるという意見があります。実際に特定の施設ばかりが見つかることはないですし、どの施設でも安い施設を見つけられるという点はなかなか好ましいポイントでしょう。期間を要するかもしれませんが、施設選びや見学はなるべく多くの施設を対象にしたいところです。