飛鳥以前の歴史が残る若林区は、復興と同時に介護政策の展開が進む

仙台市の東端の南半分を占める形で位置する若林区。
太平洋に面しており、市内では貴重な海水浴場を設けている区域として知られてきました。
東日本大震災で津波によるダメージを被った地域の一部ですが、内外からの支援を受けて力強く復興に向けてこの数年全力集中してきました。
区の歴史は古く、飛鳥時代以前につくられた古墳がいくつも存在します。
その後、江戸時代に入ると区の西武は城下町の一部として整備されました。
現在は区外に移転していますが、明治後期から昭和初期までは、伊達家の意向でつくられた「養種園」があり、農業の発展に関して絶大な貢献を果たす結果となっています。
区内東部は稲作が盛んな地域でしたが、現在もかなりの土地が同じ目的で利用されており、安定した収益を記録しています。
区内にはJR線の駅はありませんが、仙台市営地下鉄の南北線が区民を毎日、市内中心部へ輸送するという大事な役目を請け負っています。
もっとも路線が1本しかないわけではありません、東西線の延伸計画がすでに進んでいることにも注目する必要があります。
すでに4つの駅が完成しており、2015年内の開業を待つばかりとなっています。
ちなみに車両で移動する場合は、仙台東部道路および南部道路が接続しやすくて何かと便利です。
バスは、仙台市営バスのほかに宮城交通が進出しています。
区内の人口は、変動がかなり激しいのが特徴です。
1990年代は総じて減っているといえましたが、2000年以降は前半にかなり上昇したものの後半に急に減少しています。
そして震災による人口減を挟んで、また回復の途上にある様子です。
高齢化率は、2023年の段階では22.9%と、市全体の平均に非常に近い結果でした。
震災を経て人口がまた戻りつつある現在、なるべく復興政策と同時に少子化対策や介護政策の増大化などを並行して行う方向で行政は動いています。
区内の要介護認定者数は、近年110~120%程度のペースで増えていますが、介護施設の数はまだ充分に足りているというわけではありません。
特に公営の施設は申し込みが多いこともあって満員のケースが続出しているようです。
ただし民間の施設なら待たずに入れたという体験談がよく聞こえてきます。
中でも、地価の安いエリアに建てられている施設の場合は入居一時金・月額使用料ともに安い傾向が強いです。
費用が安い施設には、駅から遠いことが少なくありませんが、タクシーやバスなどの利用でカバーすればそれほど不便ではありません。