ニーズに応じた低額の老人ホームも

仙台市南部の境界線に沿って伸びながら、西端が日本海に面している太白区。
東西に広がるエリアの各地に、山岳地や大きな川があり、それらの資源を利用した農地もかなり残っているため、自然の恵みはかなり豊かです。
その一方、青葉区に近い地域には長町副都心のような産業の集中する区画も存在します。
住宅地や商業地もほどよくつくられており、長年の居住には向いているといって良いでしょう。
仙台市立病院や仙台赤十字病院をはじめ、市内でも指折りの医療機関が区内に建てられている点も、注目に値するでしょう。
他の区域と同様に、JRの東北本線や仙台市地下鉄を利用できるほか、仙台市営バスや宮城交通など、大型バスの路線もたっぷりと利用できます。
仙台市は、東北のあちこちから人の流入が止まらない大都市ですが、太白区はその傾向に染まっているとは言い切れません。
21世紀に入ってからは、人口の推移は横ばいを続けています。
前年度と比べて僅かに減ることもあれば、逆に若干増えることもあるというパターンの繰り返しです。
2005年のレポートでは高齢化率は16.8%でしたが、2010年には20.3%に上昇。2023年には25.4%でした。
仙台市全体の結果よりも高い数値になることもしばしばあるのが、太白区の高齢化率の実態です。
区内には、人口密度の低い農地のほか、数十年前に建設された団地が点在し、住民の高齢化が確実に進んでいます。
現在のペースが変わらなければ、2040年に30%を超えるという計算が行われています。
仙台市全体での高齢者介護の必要性は年々増しており、2014年には、特別養護老人ホーム利用を目的とした介護保険の給付を、毎月3000名近くの高齢者が受けています。
高くなるばかりの介護施設のニーズに応じるため、行政主導の施設も民間の施設もがんばっています。
各種有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅が区内各地に点在しますが、価格帯にはかなりの開きがあります。
金額だけ見ると、入居一時金が最高で数百万円から1000万円クラスになる施設も目立ちますが、よく見れば、少額での相談が可能な施設が少なくないことが自然とわかってくるはずです。
中には、入居一時金と月額使用料の合計が20万円未満になる可能性がある施設もいくつかあります。
慌てて探すのではなく、落ち着いて施設を探すことが一番でしょう。