熊本県の心臓部・中央区ではサ高住の増加が顕著

熊本市は誕生以来、面積や形状の変化が激しかった自治体です。
その中で早くから市の中核をなしてきた中心区域が現在「中央区」として名実ともに市と県の中枢機能の大部分を担っています。
全国区で名前が知れ渡っている熊本城は、周囲に城下町を従えて発展した城郭です。
現在はおびただしい企業や商業施設が軒を連ねており、数世紀前から熊本の心臓部として不可欠な役割を果たしてきました。
水前寺成趣園のような歴史を今に伝える名跡があるかと思えば、熊本大学をはじめとした現代的な建物と設備が目白押しの教育機関がそこかしこに立ち並んでおり、多様性に満ちた街並みが持ち味となっています。
交通システムについては鉄道と車両の両面からバランスがとれています。
前者については、JRの豊肥本線や熊本電気鉄道の菊池線・藤崎線が駅を開設しているほか、熊本市電の停留場や駅がたくさん置かれています。
後者について確認すると、幹線道路の多さがすぐに目にとまります(さすが熊本の中心地区の面目躍如といったところでしょう)。
バスの種類は市内のトップクラスで、熊本バス・熊本都市バス・九州産交バス・熊本電気鉄道バス・熊本市営バスと、地域に深く根を下ろしている大手の社名がずらりと並んでいます。
中央区には絶えず居住希望者が集まってきます。
そのため人口の維持という観点で考察するならかなり有利な立場にあります。
もっともこの数年は横ばいとなっており、安穏としていられる兆候などは見当たらないといってよいでしょう。
高齢化率の状況も、人口の実態に近いものがあります。
中央区の数値は市全体の平均値とほぼ同一の結果を示していますが、これは県全体の結果と比べるとかなり低くて、ある種の余裕を感じさせるほどです。
しばらくの間は福祉政策の準備に励む猶予がある以上、時間を有効に使いながらケアサービスの拡充や予算の立案などに従事することが要点となりそうです。
もっとも、今すぐに親身なケアサービスを受けなければならない高齢者はすでに区内各地に出現しています。
中央区には、県の他のエリアと比べて施設の種類のバランスが整っており、さすが熊本一の都会だけのことはあると評価できます。
ただし戸数はまだ不足気味です。
そのため「特別養護老人ホームにどうしても入れてほしい」といったこだわりがあるとかなり待たされてしまう可能性はあります。
最近の区内では高齢者専用住宅の類が、特にサービス付き高齢者向け住宅が勢いを増しています。
こういった施設にも目を向けたほうが満足できる可能性が高まるかもしれません。