空室のある介護施設が多数。空室状況をこまめなチェックを

名古屋市の東端にある天白区。
天白川や植田川の川沿いを中心に平坦な土地が広がっており、住宅地が広大に広がっているエリアです。
その一方で、山地や丘陵地の数も多く、自然が豊かに残るエリアでもあります。
そしてもう1点、寺社仏閣がそこかしこに残っていることも忘れてはいけない特徴です。
ゆっくりと落ち着いた老後を過ごしたい高齢者には、悪くない土地でしょう。
交通面に目を向けると、市営地下鉄や市営バスを利用できるほか、幹線道路がたくさん走っていることがすぐにわかります。
利便性のバランスも十分にとれた場所だと呼べるでしょう。
名古屋市の人口は、21世紀に入ってからは減ったり増えたりを繰り返していますが、全体的にはまだ少しずつ増加傾向にあるといってもよいでしょう。
ただし高齢化は、全国の他の地域と同様に進んでいます。
天白区もその例外ではありません。
2023年の調査では、名古屋のほとんどの区域で高齢化率25%を超えていますが、天白区でも27.4%に達したと報告されています。
また、認知症の高齢者の増加も顕著です。
区の人口は、過去10年くらいの間は、ほぼ横ばいで大きな変化はありませんから、区民一人ひとりの肩にかかる介護の負担は増えていると考えることができます。
介護の重要性は高まっていくばかりですが、幸いなことに天白区の住民はかなり恵まれている立場です。
名古屋市はもともと、高齢者向けのサービスや介護を受けるための制度には、かなりの力を入れています。
一人暮らしの高齢者の安全を保証するための「緊急通報事業」制度や、老齢の要介護者を身内に抱える家族のための「家族介護者教室」などがその代表例です。
認知症に関する相談窓口も、だいぶ多くなりました。
老人ホームや高齢者向け住宅についてはどうでしょうか? 幸い、定員に空きのある施設はまだたくさんあります。
20万円台の月額使用料で入居できる有料老人ホームや、毎月10~15万円くらいの予算で入れるグループホームが見つかります。サービス付き高齢者向け住宅が多く見つかることも、天白区の見逃せない特徴でしょう。
もちろん、特別養護老人ホームや老人保健施設も何軒もありますから、待機することも不可能ではありません。
予算に合わせて各家庭で、高齢の家族のために手ごろな入居先を発見できるエリア。
それが、名古屋市天白区の実情でしょう。