老人ホーム入居時の持ち物例
入居する際に気をつけたいのが、何を持参すればよいのかということ。下着類や洗面用具などのほかに、どのようなものを用意すべきなのでしょうか。
以下では、老人ホームの入居時に持参する用具について、詳しく解説します。
書類編(保険証など)
施設により異なりますが、契約時あるいは入所までに以下の提出を求められます。
- 健康保険証の原本
- 介護保険証のコピー
- 過去3ヵ月以内の健康診断書
- 身体障害者手帳
事前に役所から取り寄せておかなければいけないものや、取得から3ヵ月以内と指定されていることがあるので注意しましょう。
また、多くの場合、健康診断書にかかる費用は実費となります。
日用品編(衣類、タオル・ペーパー類、洗面用具、プラスティック製食器など)
一般的に、老人ホームでは業者による洗濯代行のサービスが提供されているので、衣服やタオルは1週間分を用意しておくと困ることはないでしょう。
ただし、トイレや食事の際によく衣服を汚してしまう場合は、収納スペースに配慮しつつ、衣服・下着類は多めに用意しておくのが無難です。
さらに、冬場の防寒具は地域によって異なるはずなので、気温や体調を考慮してストールやひざ掛けなどを準備しておきましょう。
ハンガーは施設にあるものを使えることも多いですが、タンスや衣服ケースなどは付いていない場合があるので、衣服の量に合うような大きさのものを持参すると良いです。
- 普段着…各季節5枚程度
- 外出着…各季節2枚程度
- パジャマ…各季節3枚程度
- 肌着類…各季節5枚程度
- 履き物…室内用・外出用各1足
- タオル(バスタオル、フェイスタオル)…5枚程度
- 靴下…5足程度
- 洗面用具類…一式
忘れがちなもの
入居の際、つい持ってくるのを忘れてしまうグッズがあります。
そのひとつが、洗面用具です。
歯ブラシ、歯磨き粉などは、基本的に施設側では用意されていません。
そのため、歯磨き・洗顔に使う一通りの用具は、すべて自前で揃えておく必要があります。
入れ歯を使用している方も、口腔ケアを行うためのスポンジブラシなどを準備しておきましょう。
さらに、居室内にトイレが付いている場合、そこで使うトイレットペーパーは入居者が用意しなければならないことがあるので、事前に確かめておきましょう。
持っていくのにおすすめなもの
老人ホームに持っていくものとしておすすめなのが以下の3つです。
- ストロー付きのコップ
- 床ずれ防止アイテム
- 食器を置く際に使う滑り止めマット
ストロー付きのコップがあることで、飲み物を飲むことに苦労する方でも中身をこぼさずに済みます。
また、床ずれ防止アイテムは離床時間が短い場合、床ずれ防止グッズが必須です。マットレスやシートなどベッドの上に置けるものに加えて、スキンケアクリームなども用意しておきましょう。ほかにも、横になったときの体重分散に役立つ抱き枕を持参することもおすすめです
食器を置く際に使う滑り止めマットは、機能訓練を兼ねて自分の手で食事を行う場合、便利なアイテムです。
お茶碗やお皿の下に敷いておくと、滑って汁物などがひっくり返りにくくなります。なお、購入したマットは自分が使いやすいように切って調節しましょう。
あると意外と便利なもの
老人ホームでは、居室の中で過ごす時間がかなり増えます。
テレビや本を持ち込んで楽しむのも魅力的ですが、暇をつぶせるものとして人気が高いのが、ジグソーパズルです。
暇つぶしの方法については、自分の趣味を活かせるものを持参するとより有効でしょう。
例えば手芸や編み物経験を持つ方なら、編み物グッズを持参してみてはいかがでしょうか。
ただ、将棋盤や囲碁盤など施設によっては既に用意している場合もあるので、持参する候補リストをあらかじめ作り、入居先の職員に見せてアドバイスをもらう方が多いようです。
必要に思えても意外と使わないもの(TV、ラジオ、家電、電子機器など)
入居前は「入居後に必要になるだろう」と思って持参しても、実際にはあまり使われない物も多いようです。
例えば小型テレビやラジオなどは、あまり大きな音を出すと周りの部屋への騒音になってしまうことが多く、特に多床室の場合は同室の利用者から嫌がられてしまします。
また、特に女性入居者の場合、外出用の上着やおしゃれ着を大量に持参する方もいるようですが、実際にはそれほど頻繁には使わないので、夏用と冬用が1~2枚ずつあれば十分だと言われています。
なお、衣服については、ボタン付きだと洗濯の際に外れてなくなってしまうことが多いので、できれば避けるようにしましょう。
老人ホームに持ち込む品は、入居者の生活を支え、新しい生活環境に慣れるうえで重要です。
ただ、入居後に不便なく暮らしていけることのみならず、退去の際に家族の負担になりすぎないものを持参するようにしたいものです。
施設入居の前に家具を仕分けておきましょう
家財の整理は、「今後必要になるかもしれないもの」と「不用なもの」に仕分けして行うのが基本です。
不要なものでも、まだ使用できそうなものや思い出の品などは、親族が預かってあげてもよいでしょう。
身寄りが誰もいない場合や、親族が預かりきれない物については、金銭的負担を考慮してトランクルームに預けておくこともおすすめします。
入居時に家具、私物を整理しておけば、後に遺品整理を行う場合の手間がかなり軽減されますよ。