怒ったり、突然「家に帰る」と言い出したり…認知症の人の「問題行動」に介護者は振り回されっぱなしで大変。本人はわがまま言って気楽なものね…。
本人は「昨日までわかっていたことがわからない」恐怖感に襲われている
中核症状を問題視される苦悩
脳の器質的な病気であるアルツハイマー病は、本人に病識があります。つまり「昨日までわかっていたことがわからなくなっている」ことに自分で気づいているのです。この恐怖感は、「本人は気楽」とは遠くかけ離れています。
一方、かつて老人性痴呆と呼ばれた加齢によるボケはどうでしょう。この場合も、葛藤や困惑と無縁ではありません。中核症状を問題視される立場におかれると、高齢者は苦悩します。
そこから起こる拒否反応こそ、介護者を困らせる「問題行動」の正体です。
認知症の人の「問題行動」そのものが、本人が苦しんでいる証である
認知症の初期段階では自覚がある

認知症を発症するきっかけは加齢、退職、引っ越し、病気や入院、配偶者との死別など、人によってさまざまです。
どのようなきっかけで発症するにしても、認知症の初期段階では自覚があり、自分の症状に対して苦悩や葛藤があります。
認知症の人の「問題行動」を介護でケアするのは、大変なことです。認知症は記憶力が低下したり、見当識が正常でなくなったりするので、「問題行動」を起こしても本人は何もわからず気楽なものだと思うかもしれません。しかし、その「問題行動」こそ本人の苦悩の証なのです。

第8問こたえは…
本人がいちばん不安で苦しんでいる