うちのお父さん、私の名前も今日の日付も思い出せないんだって。若い頃はしっかりした人だったのに、認知症になってからは何もわからなくなってしまったわ
認知症であっても、周囲の態度を敏感に感じ取っている
「何もわからない人」扱いに、傷ついている
高齢者がボケてくると、同じことを何度も聞いたり、家族を認識できなくなるなど、さまざまな変化が起こります。若くて元気だった頃を知る家族は、「すっかり何もわからなくなって、もうダメだ」と悲観的に捉えてしまうこともあるでしょう。
しかし、どんなにボケが進んでいても、本人はその場の雰囲気を敏感に感じ取っています。
本人への問診を行わず、家族や介護職から「間題行動」だけを聞き出そうとする配慮なき医者がいますが、そのような本人を無視した振る舞いは、認知症の人を傷つけているのです。
介護される側の不安感に寄り添う気持ちを忘れない
家族の対応によってボケが進むことも

周囲にミスや間違いばかり指摘されていると、認知症の人はそのつど衝撃を受け、やがて不安や反発心が強くなってしまいます。
「迷惑がられている」「バカにされている」と感じてしまうと、そのつらい現実から逃れるためにボケが進むことだってあるのです。
それまで対等だった家族でも、「介護者」と「介護してもらう人」に変わったとき、介護される側はいつしか弱者としてのつらさを抱えていくことになります。
介護される側の人は、介護する人が自分をどう思っているかについて敏感です。
たとえ深い認知症でも、非常に傷つきやすくナイーブになっているので、プライドを傷つけるような発言や態度は慎みましょう。

第17問こたえは…
むしろ感覚が敏感になる