昨日の夜もお母さんが大騒ぎで大変だったわ。このままだと私の体がもたないし、今夜からは睡眠薬を飲んでぐっすり寝ていてもらおうかしら…
薬が原因で新たな問題が起こることも
生活リズムが崩れて、昼夜逆転してしまう
昼夜逆転も、認知症のお年寄りにはよくあることですが、当然ながら本人の体調を考えると望ましいことではありません。また、介護する側も眠れないので大変です。
「眠れないのだから、薬を飲ませてでも眠ってもらったほうがいいのでは?」と言う人もいますが、お年寄りに安易に睡眠薬を使うのは危険です。
薬が効きすぎて朝起きられなくなってしまい、結局、生活リズムがずれ込むことがあります。それだけでなく、お年寄りの覚醒状態が悪くなり、転倒事故が起こることすらあるのです。
安易に薬に頼るのではなく、生活を見直すとともに、ホットミルクやココアなどのナイトミールで安眠してもらいましょう。
便秘が原因のことも
昼夜逆転や夜中の興奮には、便秘が原因のこともあります。
私(三好)の経験では、3日以上便秘が続くと夜中に大声で歌いだすおばあちゃんがいたことも。便秘がないかどうかも、必ず確認しておきたいですね。
生活リズムを整えるのが最優先
日中を活動的に過ごすようにする

昼間にゴロゴロ寝てばかりいたり、ずっと座ってテレビを観たりしているだけでは体が疲れないので、眠くなりません。日中はなるべく活動的に過ごして、夜は適度に疲れているように生活リズムを整えることが大切です。
快適な疲労は快眠のもとです。買い物など外出する用事をつくっても良いし、デイサービスを利用してレクリエーションに誘うのも良いでしょう。
なかでも私たち(三好・東田)は、レクすなわち「遊び」にリハビリの要素を取り入れた「遊びリテーション」をお勧めしています
(詳しくは『完全図解 遊びリテーション大全集』(講談社刊)を参照してください。イラストにした「風船バレー」などのやり方がわかります)。

日中の運動などで快眠を誘おう